PROJECT STORY

TOP  プロジェクトストーリー  Product  復刻と進化、物語をつづる「ランタンスピーカー」

2022/01/15Product

復刻と進化、物語をつづる「ランタンスピーカー」

「アラジンのはじまり」を、現代の技術で進化させて復刻する

英国アラジン社創業100周年にふさわしい新製品とは、何か?

この「アラジンランタンスピーカー」は、英国アラジン社創業100周年のアニバーサリーモデルとして開発されました。アラジンの代表商品である「ブルーフレーム」が90年以上にわたって愛され続けているのは、その完璧な美しい佇まいと、心地よい癒しの光がもつ魅力にあります。そんなブルーフレームの起源となったのが、1900年代に作られていた「アラジンオイルランプ」。まさにアラジンブランドの伝統の始まりともいえるこのオイルランプを、現代の技術で進化させて復刻することは、時を経ても人々の心を魅了するモノづくりとは何かという永遠のテーマに向き合うことでもありました。

100年前と現代をつなぐ、アラジンらしい復刻のカタチ

伝統の「作法」を再現し、「感触」にこだわる

1900年代のオイルランプを復刻しながら、現代の技術で進化させる。その1つが、LED照明の採用でした。オイルランプの灯のようにどこか懐かしく温かみのある明るさを表現するため、特色のLEDの光をアクリルで覆うことで光をやわらかく拡散。さらに、LEDランプを覆うホヤは100年前に使われていたものと同様の重厚感のあるクリアガラス製に。LEDの光がガラスの曲面に写り込む効果で、蜃気楼のような陰影のあるオイルランプの炎を再現しました。

そんな中、技術的に最もこだわったのは、「昇降調光機能」の部分でした。オリジナルのオイルランプでは、つまみを回して芯を出し入れすることで明るさを調整することができるのですが、この「つまみを回して調整する」というのはアラジン製品全般に踏襲されている象徴的な作法。だからこそ、ただ機能を採り入れるのではなく、動きやニュアンスなども含めた作法としての繊細な再現にこだわりたかったのです。使用する際に毎回触る部分になるので「感触」を大事にしたいと思い、動きが重すぎたり軽すぎたりしないよう感触を確かめながら、細かく細かく調整していきました。使う人のつまみの回し方で表情豊かに変化する明かりは、適度にやわらかでまぶしすぎず、どんなシーンにもあわせることができます。ぜひこの調光の感触も味わいながら、ぬくもりあふれる明かりとともに大切なひとときを過ごしていただきたいなと思います。

時間とともに味わう「素材感」を求めて

デザインの面で復刻するにあたって特に大切にしたポイントは、素材感です。1900年代の姿を再現するため、オリジナル同様にガラスと金属素材を中心とした重厚感のある雰囲気を追求しました。台座部分はアルミで鋳造した上に、リアルな質感を再現するため、職人が1台ずつ手作業で5回の重ね塗りを施し味わい深いブロンズ調の色彩に仕上げています。

また、ランプのホヤ受け部分であるギャレ―は、オリジナルと同じ真鍮製に。へら絞りというプレス加工で成型し、複雑な形状も丁寧に再現しています。そしてここでの一番のこだわりは、一般的に色褪せを防ぐために施されるクリア塗装加工はあえて行わないようにしたこと。アラジン製品には、「時間の経過とともに”味”が出る古き良き道具としての愛着を感じながら、長く大切に使っていただきたい」という共通の想いがあります。真鍮という素材本来の色味や質感をそのまま活かすことで、錆び感や光沢の変化までも楽しんでいっていただけるようにしました。

現代の技術との出会いで、楽しみ方はよりクリエイティブに進化する

「癒し」と「くつろぎ」をキーワードに

100年前のオイルランプの復刻版に、どうしてスピーカー機能が追加されたのか。そこには、「モノづくりを通して常に新しい価値を創造していきたい」という千石のモノづくりにおける熱い想いがありました。

古き良き道具でありながら、現代のライフスタイルをより充実させるものへと進化させたい。そこで、今回新たに採用したLEDのエネルギー効率の良さに着目し、バッテリー内蔵の充電式にしてどこにでも気軽に持ち運びができるようにすることにしました。でもそれだけでは物足りない…。ヒントを得るため、オリジナルのオイルランプが使われていた頃の時代背景を調べていくと、まだ家庭に電気配線が整っていなかった時代の中で、オイルランプは暗がりを照らす生活用品としてだけでなく、一日の終わりに寝室のベッドサイドに置いて、癒しやくつろぎの空間をつくるアイテムとしても親しまれていたことがわかりました。そこから、「癒し」や「くつろぎ」をキーワードに考えを広げていくうちに「明かり」と「音楽」が結び付き、スピーカー搭載というアイデアが生まれたのです。

様々なスタイルで使われるシーンをイメージして

「癒し」「くつろぎ」を意識して、スピーカーの音質にもかなりこだわりました。低音を強調しないようにチューニングしながら、安定した厚みのある良質な音を追求しました。また、お部屋の中でやわらかな明かりと音楽につつまれてリラックスタイムを楽しんだり、「ブルーフレーム」のように複数人で囲んで集いを楽しんだり、様々なスタイルで使われるシーンをイメージして、360°全方向に広がるスピーカーを採用。スマートフォンなどからBluetooth接続で再生できるようにし、高音質のコーデックにも対応しています。照明とサウンドのコラボレーションで生まれるあたたかな癒しとくつろぎのひとときを、より自由に、よりクリエイティブに楽しんでいただきたいなと思っています。

新しい価値の創造を大切に、時を超越して愛されるモノづくりを

使い方を、もっとアクティブにするために

日常をもっと自分らしく豊かなものに。休暇の楽しみ方をより多彩に。プロダクト1つで、時の過ごし方も大きく変わる。100年前の人々の暮らしにあたたかな光を灯していたオイルランプは、現代の技術と融合することで、また新しいカタチで私たちに寄り添ってくれる「ランタンスピーカー」となりました。それぞれのライフスタイルの中で、それぞれの「癒し」や「くつろぎ」のシーンをつくっていっていただきたいという想いから、場所を選ばずどこにでも持ち運んでいただけるようIPX4相当の防水性能も搭載。リビングや寝室だけでなく、キッチンやテラス、アウトドアなど、屋内外の幅広いシーンで安心してお使いいただけるようにしました。

ストーリーのあるモノづくりは、新たな価値へとつながる

この100周年記念モデルを販売するにあたり、ここに至るまでのストーリーを理解したうえで購入していただけたらと思い、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」にて先行予約販売を行いました。プロジェクト開始後わずか10分で目標金額を達成し、最終日には目標の3129%を突破するほど大変多くの反響をいただき、一般販売へとつながりました。いいものは時を経ても心に響く魅力がある、それを受け継ぎながら現代の技術やライフスタイルにあわせた新しい価値をプラスすることでまた新しい魅力が広がる、ということを再確認することができた開発となりました。

使う方の姿を思い浮かべながらこだわり抜いて生み出す製品には、アイデアが誕生する背景から開発や製造の過程にもたくさんの物語があります。その結晶が製品となって、お客さまのもとへと巣立って行く。私たちはこれからも、新しい価値の創造を大切に、時を超越して愛されるそんなモノづくりを目指していきたいと思います。

プロジェクトストーリー一覧に戻る